大隅地域の漁法

定置網漁業

沿岸近くの魚の通り道に網を設置し、魚を獲る漁業です。
網は、垣網(①)、運動場(②)、昇網(③)、箱網(④)に分かれていて、垣網で魚の進路をさえぎって運動場へ誘導し、運動場に入った魚は、海底から昇網を通って箱網へ入り、これを手繰り上げて漁獲します。

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小型底びき網漁業

15トン未満の漁船により袋状の網で海底をひいて沿岸の海の底近くにいる魚を獲る漁業です。 鹿児島湾の水深の深いところに住むナミクダヒゲエビなどを狙ったトントコ網もこの漁法の一つです。

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バッチ網漁業(機船船びき網漁業)

魚群探知機で魚を探し、魚群を見つけたら2隻の船で袋状の網を曳いてイワシ類の稚魚などを獲る漁業です。大隅では志布志湾で盛んで、ちりめん等に加工して販売されています。

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一本釣り

釣り竿でブリ、マダイ他様々な魚種を釣りあげる漁業です。魚が傷つくことが少なく、価値が付きやすい方法でもあります。 南大隅町では、決められた区画に餌を投じてブリを集め、一本釣りで漁獲する「ぶり飼い付け漁業」という伝統的な漁法が行われています。

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まき網漁業

網でアジ、サバ、イワシなどを集魚灯を利用して集め、網でまいて漁獲する漁業です。灯船(探索船)、網船、運搬船など船団で操業します。

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海面魚類養殖

海面で魚類を養殖する方法です。代表的なものに網生簀養殖があり、ブリ・カンパチ・まぐろなどもこの方式です。生簀内に魚を投入し、エサを与えて成長させ、出荷サイズになったら収穫します。生簀枠に網を設置した網生簀と、それらを固定する係留施設で構成されます。大型の生簀や沈下させることができる生簀など、様々なタイプがあります。

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さし網

長方形の漁網の上縁に浮きを、下縁におもりをつけて、鉛直方向に広げて、網目に刺さったり絡んだ魚やエビなどを獲る漁法です。浮かせたり沈めたり、固定したり潮に流したり、いくつか種類があります。イセエビもこの漁法で漁獲されます。

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トビウオすくい網漁

集魚灯でトビウオの魚群を集め、大きなたも網ですくいとる伝統的な漁業です。佐多岬で8~10月頃に行われ、観光漁業にもなっています。

トビウオすくい網漁の様子

延縄漁業

一本の幹縄に多数の枝縄をつけ、その先端に釣り針をつけた漁具を水中に沈めておき、時間をおいて引き揚げて漁獲する漁業です。

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